空き家の片付けの費用相場と自分で行う手順

空き家の片付けは、多くの人々にとって大きな課題です。
特に親族がお亡くなりになり、実家が空き家になってしまった場合、遺品整理を行うことは非常に感情的な作業です。
しかし、空き家をそのまま放置しておくと「空き家対策特別措置法」の指導対象になったり、犯罪に利用されたりするリスクがあります。
この記事では、空き家の片付けにかかる費用相場、片付けを自分で行う場合の手順、そして片付けのメリットについて詳しく解説します。

目次

空き家の片付けにかかる費用相場

空き家の片付けには、基本的に自分で行う方法と業者に依頼する方法の2つがあります。自分で行う場合、手間や時間はかかりますが、費用を抑えることができます。一方、業者に依頼すると費用はかかりますが、効率的に片付けを進めることができます。それぞれの方法の費用相場を見てみましょう。

自分で行った場合の費用相場

自分で空き家を片付ける場合、リサイクル費用や回収費用が発生します。以下の表は、主な家電製品のリサイクル費用と回収費用の目安です。

項目リサイクル費用回収費用目安(引き取りのみ)
テレビ1,320円~2,000~3,000円
エアコン990円~2,000~3,000円
冷蔵庫3,740円~2,000~3,000円
洗濯機・衣類乾燥機2,530円~2,000~3,000円
不用品-(行政サービス利用)数百円~数千円※家電は機種や型番、メーカーによって異なる

業者に依頼した場合の費用相場

業者に依頼した場合の費用は、片付けの内容や間取りによって異なります。以下の表は、業者に依頼した場合の片付け事例と料金の一部です。

片付け事例料金
(3LDK)遺品整理・風呂釜・桶撤去(5時間)220,000円
(市営住宅)生前整理・遺品整理・片付け・不用品回収(5時間)220,000円
生前整理・遺品整理・片付け(2時間)195,000円
(7LDK)生前整理・遺品整理・片付け(7時間)782,100円
(3LDK)生前整理・遺品整理・片付け・解体工事(5時間)270,000円
(3LDK)まるごと片付け(4時間)160,000円

業者に依頼する場合は、間取りや作業内容によって費用が異なるため、見積もりを取って確認することが大切です。特に初めて業者に依頼する場合、料金が高いか安いかがわからないこともありますので、複数の業者から見積もりを取ると良いでしょう。

空き家の片付けを行うメリット

空き家の片付けには、費用や時間がかかる一方で、いくつかの重要なメリットがあります。

特定空家に指定されない

空き家を綺麗に片付けておけば、特定空家に指定されるリスクを減らすことができます。平成27年に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」により、管理が適切に行われていない空き家は特定空家に指定され、改善勧告や固定資産税の優遇措置解除などのペナルティが課される可能性があります。片付けを行っておけば、これらのリスクを避けることができます。

犯罪に利用されるリスクの軽減

空き家は犯罪に利用される可能性がありますが、片付けを行い定期的に管理していることを示せば、そのリスクを大幅に減らすことができます。綺麗に片付けられた空き家は、たとえ住んでいる人がいなくても、人の出入りがあることがわかり、犯罪者にとってはリスクが高い場所となります。

更地にすると税金が高くなる

空き家を解体して更地にしてしまうと、固定資産税や都市計画税が高くなることがあります。住宅用地には軽減措置が適用されているため、建物が残っているほうが税負担が軽くなります。片付けを行いながら建物を維持することで、税金の負担を軽減することができます。

空き家の片付けを自分で行う手順

空き家の片付けは大きな作業ですが、手順を踏まえて行えば、自分でも整理することが可能です。以下は、空き家の片付けを自分で行う際の手順です。

ステップ1:空き家にあるものを仕分ける

まずは、空き家にあるものを「必要なもの」と「不要なもの」に仕分けします。遺品の場合、すべてを取っておきたくなるかもしれませんが、片付けを進めるためには基準を設けて仕分けを行うことが重要です。判断に迷った場合は一時的に保留にして、仕分け作業を進めましょう。

ステップ2:処理方法によって分類する

仕分けが終わったら、不要なものを処理方法ごとに分類します。分類は以下のように行います。

  • 一般ゴミ(可燃物・不燃物)
  • 資源ゴミ
  • 粗大ゴミ
  • 家電リサイクル
  • 買取業者に出せるもの(新品の食器やタオル、家電、ブランド品、書籍など)

ステップ3:不用品の処分

分類が終わった不要なものは、適切な方法で処分します。一般ゴミや資源ゴミは自治体の収集日に合わせて出し、粗大ゴミや家電は指定された回収方法に従います。買取業者に出せるものは、業者に連絡して査定を受けます。

ステップ4:空き家を掃除する

不用品の処分が終わったら、空き家を掃除します。掃除は場所ごとに適切な方法で行い、再度綺麗にする手間を省くために徹底的に行います。

室内の掃除では、まず換気を行い湿気を取り除きます。クローゼットや押し入れ、残っている家具も扉を開けて換気を行い、カビの繁殖を防ぎます。次に、部屋の上部から順番にホコリを取り除き、掃除機をかけます。最後に、防虫スプレーや防虫剤を使用して虫や害獣の侵入を防ぎ、壊れた網戸があれば修復します。

庭の掃除も重要です。庭が荒れていると空き家であることがすぐにわかり、不審者の侵入リスクが高まります。ゴミや落ち葉を集めて捨て、雑草を刈り取り、伸びた枝を剪定するなどして、庭を綺麗に整えます。

自治体のサポートを活用する

自治体によっては、空き家を「貸したい」や「売りたい」と考える方のために「空き家バンク」を設置している場合があります。空き家バンクに登録すれば、業者に依頼した不用品の処分や片付けの費用に対し補助金が出ることもあります。業者を利用する際は、自治体の情報提供サービスに確認してみることをお勧めします。

まとめ

空き家の片付けは、大変な作業ですが、放置することによるリスクを考えると早めに取り組むことが重要です。自分で行う場合、費用を抑えられる反面、手間と時間がかかることを理解しておく必要があります。一方、業者に依頼することで、効率的に片付けを進めることができるため、見積もりを取り比較検討すると良いでしょう。

最終的には、空き家を片付けることで得られるメリットが多く、特定空家に指定されない、犯罪に利用されるリスクを減らす、税金の負担を軽減するなどの利点があります。手順を踏まえて、自分で行うか業者に依頼するかを検討し、適切に空き家の片付けを進めましょう。

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