身近な生活の中で、なかなか意識することの少ない「特殊清掃」。テレビやニュースなどで耳にしたことはあっても、実際にどのような場面で必要になるのか、どのような作業が行われるのか、詳しく知っている方は少ないかもしれません。しかし、誰にでも突然必要になる可能性があるのが、この特殊清掃というサービスです。今回は、特殊清掃の手順を中心に、その流れや注意点、依頼する際のポイントなどについて、わかりやすく丁寧にご紹介していきます。
特殊清掃とは何か?基本的な理解から始めよう
特殊清掃とは、一般的なハウスクリーニングでは対応しきれないような、特殊な事情がある場所の清掃を行うサービスです。代表的な例としては、孤独死や事故死、自殺現場などがあります。こうした現場では、遺体の発見までに時間が経過しているケースが多く、体液や血液、腐敗臭などが室内に残ってしまうことがあり、通常の掃除では手に負えない状況になっていることがほとんどです。これらの汚染物の除去や消臭、消毒、場合によっては害虫駆除までを含めて対応するのが、特殊清掃の仕事です。
特殊清掃が必要なケースとは?
特殊清掃が行われるのは、孤独死や事故死などの現場だけではありません。例えば、ゴミ屋敷の片付け、大量のペットの飼育により悪臭が染み付いてしまった部屋、火災や水害の被害を受けた住宅なども該当します。いずれにしても、通常の掃除の範囲を超えた汚染や臭気、衛生リスクがある状態であり、専門的な知識と技術が求められる場面です。最近では高齢者の一人暮らしが増え、孤独死のリスクも高まっていることから、特殊清掃の需要も年々増加しています。
特殊清掃の基本的な手順
特殊清掃の手順は、状況によって多少異なりますが、一般的には以下のような流れで進められます。すべての工程において、遺族や関係者の気持ちに寄り添いながら、丁寧かつ迅速に対応することが求められます。
まず、現地での「状況確認」が行われます。作業員が現場を訪れ、部屋の状態や汚染状況を確認します。どの程度の汚染があるのか、どのような清掃・除去が必要か、臭いの強さはどうか、床や壁などの損傷状況などを細かくチェックし、見積もりを作成します。
次に「必要な道具や薬剤の準備」が行われます。特殊清掃では、マスクや防護服、手袋、ゴーグルなどの感染防止対策が必須です。また、特殊な消毒薬や消臭剤、高性能の空気清浄機やオゾン脱臭機などが使われることもあります。現場に応じた適切な道具を準備し、作業がスタートします。
作業の第一歩は「遺品の仕分け・回収」です。遺族の意向を聞きながら、故人の遺品や貴重品を丁寧に仕分けし、残すもの・処分するものを分けます。感情的に辛い作業になることも多いため、専門業者が心を込めて対応します。
その後、「汚染物の除去・清掃」に移ります。体液や血液などが床や家具に染み込んでいる場合は、それらを取り除く作業から始めます。特にフローリングや畳の下まで浸透している場合は、床板の一部を剥がして清掃・処分する必要があることもあります。作業は丁寧かつ慎重に進められます。
続いて、「消毒と消臭」が行われます。汚染物を取り除いても、部屋には細菌やウイルスが残っている可能性があるため、消毒作業が欠かせません。また、腐敗臭などは空間に染み付いていることが多く、特殊な脱臭機や薬剤を使って臭気を除去します。完全に臭いを取り除くには数日かかることもあります。
最後に、「原状回復やリフォーム」も行われることがあります。特殊清掃はあくまで応急的な対処であるため、必要に応じて内装の修繕やリフォームが必要になる場合もあります。床の張替えや壁紙の交換、害虫駆除など、原状回復を含めてサポートしてくれる業者も多くあります。
特殊清掃には専門的な知識と技術が必要
特殊清掃はただの掃除ではありません。感染症のリスクや人体への影響を考慮した作業が必要となり、専門的な知識と技術、そして何より現場での判断力と経験が求められます。例えば、腐敗によって発生するアンモニア臭や硫化水素などの有害物質、害虫や細菌の繁殖など、危険が伴う作業も少なくありません。こうしたリスクを把握し、正しく対応できる体制が整っている業者に依頼することがとても重要です。
一般の人が自分で対応するのは危険?
「費用を抑えたいから自分で掃除しよう」と考える方もいるかもしれません。しかし、特殊清掃は一般の方が安易に行えるものではありません。前述のような有害物質への対応が必要なうえ、感情的なストレスも非常に大きく、心身への負担が予想以上に重くのしかかります。また、不適切な清掃によって臭いが残ってしまったり、感染リスクが高まったりする危険性もあります。結果的に再度プロに依頼することになるケースも多く、二度手間になってしまう可能性が高いのです。
特殊清掃を依頼する際のポイント
特殊清掃を依頼する際には、信頼できる業者選びが重要です。ホームページや口コミなどを参考に、実績や専門性、対応の丁寧さなどをチェックしましょう。見積もりが明確であること、追加料金の有無について説明があること、遺品整理やリフォームなどの付随サービスが充実していることなども、安心して依頼できるポイントです。また、感情的に辛い状況であることを理解し、寄り添ってくれる対応かどうかも大切な判断基準となります。
費用相場はどれくらいかかるのか?
特殊清掃にかかる費用は、汚染の程度や部屋の広さ、作業内容によって大きく変わります。簡単な清掃であれば数万円程度から対応可能な場合もありますが、体液の除去、消毒・脱臭、内装の一部解体・修繕が必要となる場合には10万円~30万円、それ以上になることもあります。見積もりは無料で対応してくれる業者も多いため、まずは相談してみることをおすすめします。
まとめ:いざというときのために、特殊清掃の知識を備えておこう
特殊清掃という言葉は、一見すると自分には縁遠いように感じられるかもしれません。しかし、身近な人の突然の死や、思いがけない事故、環境問題が重なったとき、誰しもが必要になる可能性を秘めています。だからこそ、事前にその手順や対応方法を知っておくことで、いざというときに落ち着いて判断ができるようになります。プロの手によって部屋も心も少しずつ整理されていくことで、前に進むための第一歩が踏み出せるのです。
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