独立した子供部屋や、遺品整理で入った息子様の部屋。 そこには、棚一面に並べられた、アニメやゲームのキャラクターたち。 大きな瞳の美少女や、武器を持った戦士の「フィギュア」が、所狭しと飾られていませんか?
「いい歳をして、こんなおもちゃを集めて……」 「女の子の人形ばかりで、正直ちょっと恥ずかしい」 「プラスチックの塊だし、全部ゴミ袋に入れてしまおう」
親御さんからすれば、どれも同じような「子供の玩具」に見えるかもしれません。 しかし、その判断でゴミとして捨ててしまうのは、札束をシュレッダーにかけるのと同じくらい、もったいないことかもしれません。
フィギュアの世界には、明確な「階級」が存在します。 ゲームセンターで数百円で取れる景品(プライズ)がある一方で、専門メーカーが制作した「スケールフィギュア」と呼ばれるものは、1体で2万円〜3万円、プレミアがつけば10万円を超えることも珍しくないのです。
この記事では、フィギュアに詳しくない方でも分かる「高いフィギュア」と「安いフィギュア」の見分け方について解説します。
1. 箱の「ロゴ」を見てください
フィギュアの価値を見分ける最初の手がかりは、「箱」にあります。 もし、押し入れに空箱が残っていたら、そのメーカー名を確認してください。
【高額】メーカー製・スケールフィギュア
以下のメーカーロゴが入っていれば、それは大人向けの鑑賞用として作られた高級品です。
- GOOD SMILE COMPANY(グッドスマイルカンパニー)
- ALTER(アルター)
- MAX FACTORY(マックスファクトリー)
- KOTOBUKIYA(コトブキヤ)
- Megahouse(メガハウス)
これらは塗装が非常に細かく、髪の毛の先や指先まで精巧に作られています。箱も厚手でしっかりしており、高級感があります。
【安価】プライズ(ゲームセンター景品)
一方で、以下のロゴがある場合は、UFOキャッチャーなどの景品です。
- SEGA(セガ)
- TAITO(タイトー)
- BANPRESTO(バンプレスト)
- FuRyu(フリュー)
これらは大量生産品のため、単体での買取価格は数十円〜数百円程度になることが多いです。ただし、大量にある場合は「まとめて数千円」という形で買い取れることがありますので、捨てずに残しておいてください。
2. 足の裏や台座の「版権許諾証」
箱がない場合、フィギュアをひっくり返して、足の裏や台座の裏を見てください。
「©(コピーライト)」のマークと一緒に、製造年やメーカー名、「MADE IN CHINA」などの文字が書かれています。 ここに「NOT FOR SALE(非売品)」や「PRIZE ONLY(プライズ専用)」と書かれていたら、それは景品です。
逆に、そういった表記がなく、しっかりとしたメーカー名や「SCULPTED BY(原型師)」などの記載があれば、市販の高級フィギュアである可能性が高まります。
3. 白い箱に入った「ガレージキット」に注意!
フィギュアの山の中に、写真が貼られただけの「真っ白な箱」や「茶色のダンボール小箱」が混ざっていませんか? 中を開けると、まだ色の塗られていない、肌色のバラバラのパーツが入っているかもしれません。
「作りかけのプラモデル? ゴミかしら」
いいえ、それは「ガレージキット(レジンキット)」と呼ばれる、マニア向けの超・高難易度キットです。 イベント会場(ワンダーフェスティバルなど)でしか手に入らない限定品が多く、未組み立ての状態であれば、完成品フィギュアよりもはるかに高額で取引されることがあります。
「組み立てていないから価値がない」のではなく、「組み立てていないからこそ価値がある」のです。 パーツが揃っているか分からなくても、箱ごとそのまま査定に出してください。
ベタベタしていても、洗わないで!
長年飾っていたフィギュアを触ると、表面がベタベタしていることがあります。 これは汚れではなく、素材に含まれる可塑剤(かそざい)が気化して表面に出てきたものです。
「汚いから洗ってあげよう」と、中性洗剤でゴシゴシ洗ったり、除光液で拭いたりするのは危険です。塗装が剥げたり、ツヤが変わって価値が下がったりします。
ベタつきがあっても、ホコリを被っていても、買取には問題ありません。 プロが適切な方法でクリーニングしますので、そのままの状態でお渡しください。
「箱」があるかないかで、価格は倍違います
フィギュアの査定において、最も重要な付属品は「外箱」と、中の透明なプラスチック(ブリスター)です。 これがあるかないかで、査定額が半減してしまうこともあります。
もし、フィギュア本体が棚に飾ってあり、箱が別の場所にしまってあるなら、必ずセットにしておいてください。 細かいパーツ(付け替え用の顔や手、武器など)も、ジッパー付きの袋などにまとめておくと、査定額アップにつながります。
恥ずかしがらずに、部屋ごと見せてください
「息子のオタク趣味の部屋を見られるのは恥ずかしい」 「こんな美少女の人形、いい大人が持っているなんて……」
そう思われるご遺族もいらっしゃいますが、私たち買取業者は毎日何百体ものフィギュアを見ています。そこに偏見は一切ありません。 むしろ、情熱を持って収集されたコレクションには敬意を払います。
大量のフィギュアを箱詰めして運ぶのは、破損のリスクも高く、大変な重労働です。 出張買取なら、棚に飾られたままの状態、あるいは部屋中に散乱したままでも構いません。
私たちが1体ずつメーカーを確認し、「ただの景品」と「数万円の宝物」を仕分けます。 息子様が大切にしていたコレクションを、次に大切にしてくれる方へと橋渡しするお手伝いをさせてください。

