実家の片付けをしていると、押し入れや納戸の奥から、巨大なダンボール箱がいくつも出てくることがあります。その中身は、かつて娘や孫のために飾られた「雛人形」かもしれません。
「立派な7段飾りだけど、今の家には飾るスペースがない」
「供養に出そうとしたら、数万円の処分費用がかかると言われた」
「誰かに譲りたいけれど、引き取り手が見つからない」
このように、雛人形の処分は遺品整理や家の片付けにおける大きな悩みの一つです。リサイクルショップに持ち込んでも「需要がない」と断られることが多く、途方に暮れている方も少なくありません。
しかし、すべての雛人形が売れないわけではありません。実は、一般的な豪華な段飾りよりも、小さくて丸っこい「木目込み人形(きめこみにんぎょう)」や、江戸・明治時代の「古いお雛様」の方が、中古市場では高く評価されることをご存知でしょうか?
この記事では、雛人形の処分に悩む方々のために、「値段がつきにくい雛人形」と「高額査定が期待できる雛人形」の違いを詳しく解説します。
正直にお伝えします。「7段飾り」の買取が難しい理由
まず、多くの方が気になる「大きな7段飾りは売れるのか?」という疑問についてお答えします。結論から申し上げると、昭和・平成時代に購入された一般的な衣裳着(いしょうぎ)の7段飾りは、買取で値段をつけるのが非常に難しいのが現状です。
現代の住宅事情が影響
その理由の一つは、現代の住宅事情にあります。マンションやコンパクトな戸建て住宅が主流となった現在、横幅1メートル以上もある巨大な段飾りを飾るスペースを確保するのは難しくなっています。また、収納場所も限られているため、中古市場での需要がほとんどないのです。
配送や保管コストの問題
さらに、7段飾りは「鉄の骨組み」「板」「大量の人形」「お道具」といったパーツが非常に多く、配送や保管にかかるコストが高額になります。リサイクルショップが引き取りを拒否するのは、売値よりも管理コストが高くなってしまうためです。
それでも諦めないで
ただし、7段飾りが全く価値がないわけではありません。次にご紹介する「特定の人形」であれば、驚くような高値がつく可能性があります。
高価買取の主役!「木目込み人形」とは?
もしお手持ちの人形が以下の特徴に当てはまるなら、それはお宝かもしれません。
- サイズが小さく、手のひらに乗るくらい
- 衣装が布を着せているのではなく、木の溝に布が埋め込まれている
- 顔立ちが丸く、筆で描いたような細い目(書き目)をしている
これらは「木目込み人形」と呼ばれ、京都の上賀茂神社から始まる長い歴史を持つ伝統工芸品です。
現代の住宅事情にマッチ
木目込み人形は、場所を取らないサイズ感が現代の住宅事情にぴったりです。また、工芸品としての芸術性が高く、国内外のコレクターから絶大な人気を誇ります。
特に高額な作家・ブランド名
木目込み人形の中でも、以下の作家やブランドの作品は高額査定が期待できます。
- 真多呂(またろ):木目込み人形の代表格。「金林真多呂」の名があれば、数万円以上の価値がつくことも珍しくありません。
- 一秀(いっしゅう):木村一秀によるモダンで可愛らしい作風が特徴です。
- 柿沼東光(かきぬま とうこう):伝統工芸士による精緻な作品で、コレクターに人気があります。
- 幸一光(こういっこう):松崎幸一光の作品は、表情豊かな顔立ちが魅力です。
これらの人形は、箱が汚れていても、多少の色あせがあっても、絶対に捨ててはいけません。
意外な高値?「ボロボロの古いお雛様」の価値
「うちは有名作家のものじゃないし、何より古すぎてボロボロだから……」と思っている方もいるかもしれません。しかし、古い雛人形には骨董品としての価値がある場合があります。
江戸・明治時代の雛人形の特徴
以下のような特徴を持つ雛人形は、骨董品として高額査定の対象となることがあります。
- 享保雛(きょうほびな):面長で能面のような顔立ち、大きなサイズが特徴。
- 次郎左衛門雛(じろざえもんびな):丸い顔に引目鉤鼻(ひきめかぎばな)の特徴的な顔立ち。
- 御殿飾り(ごてんかざり):段飾りではなく、神社の社のような建物の中に人形が入っているもの。
これらの雛人形は、着物が色あせていても、髪が乱れていても、歴史的資料としての価値が認められるため、高額査定が期待できます。
有名ブランドの「親王飾り(男雛・女雛のみ)」も需要あり
7段飾りは難しくても、お殿様とお姫様の2体だけのセット(親王飾り)であれば、買取できるケースがあります。
高級ブランドの親王飾り
特に以下のブランドや作家の親王飾りは需要があります。
- 吉徳大光(よしとくたいこう):「顔が命の吉徳」で知られる老舗ブランド。
- 久月(きゅうげつ):知名度No.1の老舗ブランド。
- 無形文化財作家の作品:原米州や平田郷陽などの作品は特に高額査定が期待できます。
箱の中に「保証書」や「しおり」が入っていれば、さらに価値が上がる可能性があります。
「買取」か「供養」か迷ったら、まずは出張査定へ
雛人形の処分を検討する際、多くの方が「供養料を払って引き取ってもらう」ことを考えます。しかし、その前に一度だけ、買取のプロに見せてみることをおすすめします。
思わぬ価値が見つかることも
「ただの古い7段飾り」だと思っていたものが、実は「お道具に蒔絵が施された一級品」だったり、「人形自体が有名作家の作品」だったりすることがあります。
無料引き取りや買取の可能性
仮にお値段がつかない場合でも、他の遺品(着物、食器、骨董品など)と合わせて査定することで、トータルで無料引き取りや買取が可能になるケースもあります。
まとめ
雛人形の処分は、単なる片付けではなく、思い出や歴史を見直す機会でもあります。特に「木目込み人形」や「古いお雛様」は、思わぬ高値がつく可能性があります。処分を考える前に、ぜひ一度プロの査定を受けてみてください。

