遺品整理で見つかるブランド食器や陶磁器とは
遺品整理の現場では、故人が生前大切にされていた品々が数多く見つかります。その中でも、食器棚や飾り棚、収納の奥から、まるで新品のような美しいブランド食器や陶磁器のセットが出てくることは決して珍しくありません。これらは、結婚式の引き出物として贈られたもの、海外旅行の記念に購入したもの、あるいは大切なお客様をもてなすために特別に用意されたものなど、様々な背景を持っています。
多くの場合、これらの食器は「特別な日のために」と丁寧に保管され、日常的に使われることなく時を重ねてきました。「未使用だけれども、自分たちで使う機会もない」と感じるご遺族は非常に多いのが実情です。しかし、そうした食器の中には、ただ古いだけでなく、美術品やコレクションとしての高い価値を秘めているものが少なくありません。
代表的な高級食器ブランドとしては、以下のようなものが挙げられます。これらは世界中で愛されており、中古市場でも高い人気を誇ります。
- WEDGWOOD(ウェッジウッド):イギリスを代表する陶磁器メーカー。「クイーンズウェア」や「ジャスパーウェア」といったシリーズは、その優雅なデザインで世界中のコレクターを魅了しています。特に創業者のジョサイア・ウェッジウッドが生み出したジャスパーは、ブランドの象徴的存在です。
- ROYAL COPENHAGEN(ロイヤルコペンハーゲン):デンマーク王室御用達の名窯。手描きのコバルトブルーが美しい「ブルーフルーテッド」や、毎年デザインが変わる「イヤープレート」は、贈答品としてもコレクションアイテムとしても絶大な人気があります。
- MEISSEN(マイセン):ヨーロッパで初めて硬質磁器を生み出した、300年以上の歴史を持つドイツの名窯。剣のマークで知られ、「ブルーオニオン」や精巧な人形(フィギュリン)は、美術品としての価値も極めて高い評価を受けています。
- NORITAKE(ノリタケ):日本が世界に誇る陶磁器ブランド。明治時代から海外輸出で名を馳せ、その品質とデザイン性は国内外で高く評価されています。特に戦前に作られた「オールドノリタケ」は、希少価値から高値で取引されることがあります。
- HEREND(ヘレンド):ハンガリーの名窯で、ハプスブルク家にも愛されました。東洋趣味の「シノワズリ」や、蝶や花が舞う「ヴィクトリア・ブーケ」など、熟練の職人による手描きの絵付けが特徴です。その芸術性は、まさに卓上の宝石と呼ぶにふさわしいものです。
- ARABIA(アラビア):フィンランドを代表するブランドで、シンプルでモダンなデザインが特徴。日常使いしやすい機能美と、どこか温かみのある作風で、北欧デザインの人気を牽引しています。「パラティッシ」シリーズなどは、時代を超えて愛され続けています。
これらのブランド食器は、単に食事の道具というだけでなく、そのデザイン性、希少性、そしてブランドが持つ歴史的背景から、美術品やコレクションとしての価値が評価されます。そのため、保存状態が良好であれば、予想以上の高価買取につながる可能性を十分に秘めているのです。
ブランド食器・陶磁器の価値を決めるポイント
遺品の中から見つかったブランド食器の価値は、いくつかの要素によって総合的に判断されます。査定を依頼する前に这些ポイントを理解しておくことで、その品物が持つ本来の価値を知る手がかりになります。
1. 使用状況と保存状態
最も重要視されるのが、食器の状態です。当然ながら、一度も使われていない「未使用品」が最も高く評価されます。購入時の箱に入ったまま保管されていたり、包装紙に包まれたりしているものは、理想的な状態と言えるでしょう。
査定時の具体的なチェックポイントは以下の通りです。
- 欠けやヒビの有無:食器の縁や高台(底の部分)に微細な欠けがないか、光に透かしてヒビが入っていないかを確認します。
- 傷やスレ:カトラリーによる傷(ナイフやフォークでついた線状の跡)や、重ねて保管した際にできたスレがないかが重要です。
- 絵柄や金彩の状態:絵柄が薄くなっていたり、金やプラチナの装飾(金彩・銀彩)が剥がれていたりすると、査定額は下がってしまいます。
- 貫入(かんにゅう):陶磁器の表面にある釉薬(うわぐすり)部分にみられる細かいヒビ模様のこと。経年変化や作品の味として評価されることもありますが、一般的にはない方が好まれます。
ただし、多少の使用感があったり、一部に傷があったりしても、諦める必要はありません。特に希少価値の高い限定品や、すでに生産が終了している「廃盤」シリーズの品は、コレクターからの強い需要があるため、状態が完璧でなくても高値が付くケースがあります。
2. ブランドとシリーズ名
食器の価値は、どのブランドの、どのシリーズであるかによって大きく変わります。世界的に知名度が高いブランドはもちろんのこと、その中でも特に人気の高い「定番シリーズ」や「限定デザイン」は、中古市場で安定した需要が見込めます。
例えば、以下のようなシリーズは特に人気が高いことで知られています。
- マイセン「ブルーオニオン」:ザクロやタケなどをモチーフにしたコバルトブルーのデザインで、誕生から280年以上経った今も世界中で愛される不朽の名作です。
- ウェッジウッド「ジャスパーウェア」:ギリシャ神話をモチーフにしたマットな質感が特徴。ペールブルーが有名ですが、ピンクやブラックなどカラーバリエーションも豊富で、コレクターに人気です。
- ロイヤルコペンハーゲン「フローラダニカ」:デンマークの植物図鑑を基に、食器一つひとつに異なる植物が手描きされる最高級シリーズ。美術工芸品として別格の扱いで、一点でも非常に高額になります。
これらの有名シリーズ以外にも、特定の年代にのみ製造されたデザインや、著名なデザイナーとのコラボレーション作品などは、希少性から高価買取の対象となります。ブランド名が不明な場合でも、食器の裏にあるバックスタンプ(刻印やマーク)が重要な手がかりになります。
3階セットの有無
ブランド食器は、ティーカップとソーサー、ケーキプレートといった形で、シリーズとして揃えて使うことが想定されています。そのため、単品よりも、シリーズ一式が揃った「フルセット」の状態である方が、査定額は大幅にアップします。
- ティーセット/コーヒーセット:カップ&ソーサー、ティーポット、シュガーポット、クリーマーが揃っていると評価が高まります。
- ディナーセット:ディナープレート、スーププレート、パン皿などが人数分揃っていると、トータルでの価値が上がります。
- ペアでの評価:カップ&ソーサーが2客ペアで揃っているだけでも、単品2点よりも高く評価される傾向にあります。
コレクターは特定のシリーズを「揃える」ことに価値を見出すため、セットが揃っているほど需要が高まり、結果として買取価格も上昇するのです。もし複数の食器がバラバラに見つかった場合でも、同じシリーズのものであればまとめて査定に出すことをお勧めします。
食器・陶磁器を高く売るためのコツ
大切な遺品であるブランド食器を、少しでも高く評価してもらうためには、査定に出す前のちょっとした準備が重要です. 簡単な手間をかけるだけで、査定額に差がつくことがあります。
1. 箱・保証書を必ず一緒に
食器を査定に出す際は、購入時に付属していたものをできる限り揃えることが鉄則です。特に以下のものは、査定額に直接影響を与える重要なアイテムです。
- ブランド純正の箱:箱は単なる入れ物ではありません。その品物が「正規品」であることを証明し、輸送時の破損を防ぐ役割も果たします。箱自体のデザインに価値がある場合もあり、箱の有無で査定額が数千円から数万円変わることも珍しくありません。
- 保証書・証明書:ブランドや商品によっては、品質を保証するカードや由来を記した証明書が付属している場合があります。これもまた、本物であることの強力な証明となります。
- ブランドのしおり・布:箱の中に入っているブランドの歴史や商品説明が書かれた紙(しおり)や、食器を包んでいた布も、揃っている方が「完品」として高く評価されます。
これらの付属品は、次にその食器を手にする人が「新品に近い状態」で購入したいという心理を満たすため、中古市场での価値を高める重要な要素となるのです。
2. 汚れ・ホコリを軽く拭くだけでOK
長年保管されていた食器には、ホコリや薄汚れが付着していることがあります。綺麗な状態で査定に出すことは基本ですが、その方法には注意が必要です。
- 過度な洗浄はNG:ゴシゴシ擦ったり、研磨剤入りのスポンジやクレンザーを使ったりするのは絶対に避けてください。繊細な絵柄や金彩が剥がれてしまい、かえって価値を下げてしまいます。
- 漂白剤の使用は厳禁:特に塩素系の漂白剤は、釉薬を傷めたり、絵柄を変色させたりする原因になります。
- 正しい手入れ方法:基本は、柔らかい布や筆を使って表面のホコリを優しく払う程度で十分です。もし汚れが気になる場合は、ぬるま湯で固く絞った布でそっと拭き取るくらいに留めましょう。
査定士は、多少のホコリや汚れがあっても、その下にある食器本来の状態を見極めるプロです。無理に綺麗にしようとして傷をつけてしまうリスクを考えれば、「現状のまま」に近い状態で査定に出すのが最も安全で賢明な方法と言えます。
3. まとめて査定を依頼する
食器が複数点ある場合は、一点ずつバラバラに査定を依頼するのではなく、まとめて依頼するのが高価買取の基本です。これにはいくつかの理由があります。
- セット品としての評価:前述の通り、同じシリーズのものが揃っていればセットとして評価され、単品の合計額よりも高い査定が期待できます。
- 査定・買取の効率化:買取業者にとっても、一度に多くの品物を査定・買取できる方が運送費や人件費のコストを抑えられます。その分を買取価格に還元してもらいやすくなります。
- 総合的な価値判断:一点だけでは値段が付きにくい品物でも、人気のブランド品と一緒であれば「まとめていくら」という形で値段を付けてもらえる可能性があります。
遺品整理では、異なるブランドの食器が混在していることも多いですが、「ブランド食器」という括りで全てまとめて査定に出すのがおすすめです。査定を依頼する際は、事前にブランドやシリーズごとに仕分けしておくと、査定がスムーズに進みます。
捨てる前に!意外と知られていない「再販需要」
「こんなに古いデザインの食器、誰も欲しがらないだろう」「少し欠けているから価値はないはず」と、自己判断で処分してしまうのは非常にもったいないことです。ブランド食器には、あなたが思う以上に大きな再販需要、つまり「次に欲しがる人」が存在します。
特に、ブランド食器の中古市場は国内に留まらず、非常にグローバルです。海外のバイヤーやコレクターが、日本のマーケットで流通している良質な中古品を熱心に探しているケースも少なくありません。彼らにとって、日本の家庭で大切に保管されてきた状態の良い食器は、非常に魅力的なのです。
また、近年の「レトロブーム」も無視できません。昭和から平成初期にかけて流行した、少し懐かしいデザインの国産ブランド食器が、若い世代を中心に「レトロでかわいい」「個性的でおしゃれ」と再評価されています。ノリタケやナルミなどのレトロな花柄カップなどは、SNS映えすることもあって人気が再燃しており、思わぬ高値が付くこともあります。
見た目が古かったり、有名ブランドではなかったりしても、専門家が見れば価値がわかる品物はたくさん眠っています。「どうせ売れない」と決めつけずに、一度専門の査定を受けてみることが、価値ある品物を救う第一歩となるのです。
かいとり隊の「ブランド食器・陶磁器買取」が選ばれる理由
「かいとり隊」では、遺品整理の過程で見つかった大切なブランド食器や陶磁器を、専門知識を持ったスタッフが一つひとつ丁寧に査定し、適正な価格で買取いたします。ご遺族様のお気持ちに寄り添いながら、安心してお任せいただけるサービスを提供しています。
割れ物である食器や陶磁器の扱いは、非常にデリケートな作業です。当店では、輸送中に破損することがないよう、食器専用の梱包資材を用いて、一点一点丁寧に包み、安全に運搬します。お客様ご自身で梱包する手間や、破損のリスクを心配する必要はありません。
かいとり隊の強み
- 遺品整理と買取を同時に依頼可能:遺品整理の作業中に査定・買取を行うため、別の業者に依頼する手間が省けます。整理から買取までワンストップで完結し、時間的・精神的なご負担を大幅に軽減します。
- 出張・宅配・LINE査定に全国対応:お客様のご都合に合わせて、最適な買取方法をお選びいただけます。ご自宅まで伺う「出張査定」、品物を送るだけの「宅配査定」、スマホで気軽に相談できる「LINE査定」など、全国どこからでもご利用可能です。
- 破損リスクを防ぐ専用梱包で安全輸送:専門スタッフが食器の種類や形状に合わせた最適な梱包を行いますので、マイセンの繊細なフィギュリンや薄いティーカップなども安心してお任せいただけます。
- 査定・出張・キャンセルすべて無料:査定料、出張費、見積料などは一切いただきません。提示した査定額にご納得いただけない場合のキャンセル料も無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
- 買取額を整理費用に充当できるのでコストを軽減:買取が成立した場合、その金額を遺品整理の作業費用から直接差し引くことが可能です。これにより、遺品整理にかかる全体的なコストを抑えることができます。
まとめ|思い出の食器を「次の持ち主へ」
遺品整理で見つかるブランド食器や陶磁器には、故人が贈られた時の喜びや、家族で囲んだ食卓の記憶など、金銭的な価値だけでは測れない大切な思い出が詰まっています。それらを 단순히「不要なもの」として処分してしまうのは、あまりにも寂しいことです。
捨てるという選択をする前に、「次の持ち主に譲る」という形で整理することを考えてみませんか。そうすることで、故人の大切にしていた品物は新たな価値を得て、次の誰かの暮らしを彩ることができます。それは、思い出を未来へ引き継いでいく、尊い行為とも言えるでしょう。
私たち「かいとり隊」は、丁寧な査定と安心の買取サービスを通じて、お客様の大切な品物を“価値ある形で引き継ぐ”お手伝いをいたします。遺品整理で出てきたブランド食器の扱いに迷ったら、ぜひ一度、私たちにご相談ください。専門家としての知識と経験を活かし、お客様にとって最善のご提案をさせていただきます。

