遺品整理を進める中で、引き出しや金庫、衣類のポケットなどから通帳や現金、貴金属、印鑑、有価証券などが見つかることがあります。これらは故人が大切にしていた財産であり、慎重に扱う必要があります。しかし、これらを「整理のついでに片付けてしまう」「使ってしまう」といった行動は、後々のトラブルを招く可能性があるため注意が必要です。
これらの品々は法律上「相続財産」に該当する可能性があり、相続手続きを誤ると以下のようなリスクが発生します。
- 他の相続人から不正使用を疑われる
- 相続放棄が無効になる
- 法的トラブルに発展する
遺品整理を進める際には、これらのリスクを回避するための正しい知識と手順が求められます。
通帳・現金・貴重品の扱い方【基本ルール】
遺品整理中に見つかる通帳や現金、貴重品は、相続財産として慎重に扱う必要があります。ここでは、基本的なルールと注意点を詳しく解説します。
① 通帳や印鑑は「相続人全員」で管理を
故人の通帳や印鑑は、金融機関の相続手続きが完了するまで一切使用してはいけません。たとえ家族であっても、無断で引き出した場合は「不正使用」と見なされる可能性があります。
まずは、すべての相続人で財産を確認し、リスト化して保管することが重要です。また、銀行によっては死亡届が提出されると口座が凍結されるため、事前に金融機関へ連絡を入れることを忘れないようにしましょう。
② 現金が見つかった場合は「封印・記録」が基本
遺品整理中に現金が見つかった場合、すぐに使わずに金額や発見場所、発見日時をメモし、封筒などにまとめて保管します。この記録を残すことで、後日「誰が保管していたのか」が明確になり、相続人間のトラブルを防ぐことができます。
特に高額な現金や商品券、金券などは、写真撮影を行い記録を残しておくとさらに安心です。
③ 貴金属や高級品は「査定前に保留」が安全
貴金属や時計、骨董品などの高価な品物は、資産価値が高いため、相続トラブルが起こりやすい品目です。これらを処分や売却する場合は、相続手続きが完了してから査定や買取に進むのが基本です。
相続人全員の同意を得ずに売却してしまうと、後にトラブルになる可能性があるため、慎重に進めましょう。
相続放棄を考えている場合は「触らない」が原則
相続放棄を検討している場合、遺品を整理したり、通帳や現金を動かしたりすることは避けるべきです。なぜなら、これらの行為が「相続を承認した」と見なされる可能性があるからです。
民法第921条の規定
民法第921条では、「相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、単純承認したものとみなす」と定められています。つまり、以下のような行為は相続放棄の権利を失うリスクがあります。
- 貴重品を売却する
- 通帳からお金を引き出す
- 家具や家電を処分する
相続放棄を検討している場合は、まず家庭裁判所に申述し、受理されるまで何も動かさないことが最優先です。
遺品整理業者に依頼する場合の注意点
遺品整理を業者に依頼する場合でも、通帳や現金、印鑑、貴金属などの貴重品は慎重に扱う必要があります。以下のポイントを押さえておきましょう。
① 現金や通帳は業者に預けない
遺品整理業者に依頼する際、通帳や現金、印鑑、貴金属は必ず自分で保管しましょう。「立ち会い不要プラン」などで業者が一括処分を行う場合、貴重品が紛失しても発見が遅れる可能性があります。
② 「貴重品探索サービス」付き業者を選ぶ
信頼できる業者の中には、「貴重品探索サービス」や「相続人立ち会い確認」を行うところもあります。遺品整理士資格を持つスタッフが、通帳や現金、宝飾品などを丁寧に分別・記録してくれるため、安心して依頼できます。
③ 資格・許可を持つ業者に依頼
遺品整理を依頼する際は、以下の資格や許可を持つ業者を選びましょう。
| 資格・許可 | 内容 |
|---|---|
| 遺品整理士 | 故人の品の取り扱いや供養に関する専門資格 |
| 古物商許可 | 買取を行う場合に必要な公安委員会許可 |
| 一般廃棄物収集運搬許可 | 不用品の搬出・処分が法的に可能 |
これらの資格や許可が揃っている業者であれば、法令を遵守した安心のサービスを受けることができます。
整理と相続を両立させる3つのステップ
遺品整理と相続手続きをスムーズに進めるためには、以下の3つのステップを守ることが重要です。
- 貴重品を発見したら、動かさず記録
- 発見場所や日時をメモし、写真撮影を行う。
- 家族・相続人全員で共有し、保管場所を明確化
- トラブルを防ぐため、全員で情報を共有する。
- 相続手続き完了後に整理・買取・供養へ進む
- 手続きが完了してから、次のステップに進む。
この流れを守ることで、法的トラブルを避けながら、心の整理もゆっくり進めることができます。
まとめ|「正しく扱うこと」が安心につながる
遺品整理中に見つかる通帳や現金、貴重品は、故人の大切な財産であり、慎重に扱うべきものです。焦って動かすことなく、以下の3つを徹底しましょう。
- 記録を残す
- 家族で共有する
- 相続完了後に整理する
これらを守ることで、後悔しない遺品整理が実現します。
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